小野 祐真

「こどもが見ているもの」

私たち大人は、つい「何を与えるか」「どう使わせるか」に目を向けがちです。
けれど、こどもたちはもっと自由で、もっと豊かな“見方”で世界を見ている。
それを、私は現場に立つたびに感じます。

たとえば、ただの石ころが宝石に見えたり、雲が動物の顔に見えたり。
そこには、“与えられた答え”ではなく、“自分の中から生まれた発見”があります。

ある先生が、こんなふうに話してくれたことがあります。
「オシャレな園ですね、と言われても嬉しくないんです。私は、“なんかワクワクする園ですね！”って言われたいんです」と。その言葉に、私はハッとさせられ、深く共感しました。

だから私は、空間づくりやアートの仕事において、「何をつくるか」よりも、
“どんな視点を育てられるか”“どんな関係性を育てられるか”を大切にしています。

アートは、表現することが目的ではありません。
“気づきのきっかけ”や、“誰かと繋がる橋”になること。
それが、KUMA’Sが考える「アートの力」です。

KUMA’Sのつくる環境には、最新の設備があるわけではありません。
でも、そこにはこどもと大人の関係性から生まれる“まなざし”があります。
「表現してもいいんだ」と、こどもが思える場づくり。
それこそが、私たちの原動力であり、目指している未来です。

これからも、保育・教育・福祉の現場で出会う方々とともに、
“今この場所にしか生まれない創造”を、アートでかたちにしていきたいと思っています。

経歴・実績

2004年
KUMA’Sに参画。児童教材・絵本・空間演出などを手がけるアートディレクターとして活動。
2011年
法人化とともにプロデューサーに就任。保育環境・研修・異業種連携プロジェクトを展開。
2022年
代表取締役に就任。企画・思想の中核として、アートを“関係づくりの手段”として提案。
2024年
東京保健医療専門職大学と産学連携を締結し、医療・療育分野へと活動を拡張。

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主な活動と実績

• 横須賀 長井海の手公園ソレイユの丘（アートディレクション・空間演出）
• 「東京保健医療専門職大学」との産学連携を締結
• 見立てアート「ミタテル®︎」第１８回キッズデザイン賞受賞 ほか。