園の思いを、4園にわたって育てる。

「こころの花」ほいくえん アートディレクション

学校法人菊地学園が運営する「こころの花」ほいくえん。
KUMA’S FACTORYは、1園目となる登戸駅前園の立ち上げ時より、ロゴデザイン、100本のお花のキャラクター開発、園内アート、サイン計画、空間構想へのデザイン反映などを通して、園の世界観づくりに継続して関わってきました。

以降、レイクタウン駅園、南流山駅前園、小岩駅前園へと、その思想や表現を引き継ぎながら、各園の環境に合わせた園内アートディレクションを担当しています。

4園目となる小岩駅前園では、こころの花グループとして初めて、意匠原画仕上げによる壁画表現を本格的に導入。
これまで育ててきたブランドの世界観を受け継ぎながら、手描きの温かさや細部の遊び心を空間に加え、子どもたちの想像や会話が自然にふくらむ園づくりを目指しました。

▲壁画と原画を壁面に描き入れた
▲原画ならではの温かさと遊び心を空間に

園の思いを、子どもたちが出会う景色へ

「こころの花」ほいくえんが大切にしているのは、やさしいこころ・つよいこころ・げんきなこころという3つの心を育むことです。

KUMA’Sは、その思いを空間づくりの面から支えたいと考え、1園目の立ち上げ時に、ロゴデザインとともに100本のお花のキャラクターを開発しました。

▲ロゴにもなったキャラクターたちのラフスケッチ画

笑っている花、怒っている花、泣いている花。
そこには、一人ひとりに個性があり、その時々でさまざまな心模様や心の移り変わりがあるというメッセージを込めています。

自分とは違う表情に気づくこと。
相手の気持ちに目を向けること。
そうした日々の関わりが、「やさしいこころ・つよいこころ・げんきなこころ」という園の願いにもつながっていく。

KUMA’Sは、そんな考え方を、キャラクターやアート、サイン、空間の中に少しずつ重ねてきました。

1園目で生まれた世界観を、4園へ

登戸駅前園では、園名に込められた思いをもとに、ロゴ、キャラクター、空間全体のデザイン構想を設計しました。

その後に誕生したレイクタウン駅園、南流山駅前園、小岩駅前園でも、1園目で培った世界観や思想を引き継ぎながら、それぞれの園舎の構造や環境に合わせて、園内アートディレクションを展開しています。

▲1園目となる「こころの花」ほいくえん登戸駅前園

同じブランドの中にありながら、どの園もまったく同じ表情にはしない。
「こころの花」らしさを大切にしつつ、その場所に合った見せ方やアートの入り方を考える。
それが、継続的に関わるからこそできるKUMA’Sの役割だと考えています。

▲階段周りは園の想いを伝える最高の舞台と考えて難易度の高い施工も実施
▲これらはデジタルペイントで描いたインクジェットクロス仕上げ

小岩駅前園で広がった、手描きの表現

4園目となる小岩駅前園では、こころの花グループとして初めて、保育室を中心に壁画表現を大きく取り入れました。

これまでも手描きの表現を実現したい思いはありましたが、今回は空間条件や計画のタイミングが重なり、意匠原画仕上げによる壁画を本格的に展開することができました。

壁画では、図面だけでは想像しづらい空間の細部にも、手描きならではの温かさや、思わず目を留めたくなる小さな遊び心、発見の要素を描き入れています。

▲保育室からランチルームまで空間を物語で囲うアートを施した
▲100本のお花のキャラクターはそれぞれ表情も感情も全て異なる表現に

子どもたちが「ここにもいる」「あれは何だろう」と見つけたり、先生との会話が生まれたり。
空間がただ背景として存在するのではなく、日々の関わりのきっかけになることを目指しました。

壁画と内装表現を、ひとつの景色に

小岩駅前園では、壁画に加え、ロールスクリーンやクロスにもオリジナルアートを展開しています。
ロールスクリーンには、リリカラ社のデジタル・デコを採用し、窓まわりにも「こころの花」らしい世界観を広げました。

その際に大切にしたのは、手描きの壁画と、デジタル出力された内装表現が、空間の中で違和感なくつながることです。

ロールスクリーンやクロスに出力したときのタッチ感や色味が、壁画の雰囲気から浮いてしまわないよう、アトリエで何度も調整を重ねました。

手描きだからこそ生まれる柔らかさ。
内装材に展開することで得られる空間全体の統一感。
その両方を活かしながら、園の世界観を保育室全体へと広げています。

園の個性は、飾るものではなく、育てていくもの

KUMA’Sが大切にしているのは、あらかじめ用意された絵柄やデザインを園に当てはめることではありません。

園が大切にしている思いや保育への願いを受け取り、それをロゴ、キャラクター、サイン、壁画、空間全体の表情へと、丁寧に翻訳していくこと。

▲「こころの花」ほいくえんレイクタウン駅の外装デザイン

子どもたちが毎日過ごす場所だからこそ、
目に入るもの、会話が生まれるもの、記憶に残るものを大切に考える。

その積み重ねが、その園らしさを育て、保護者や地域にも伝わる空間になっていくと考えています。

その園にしかない思いを、空間の中に

「こころの花」ほいくえんとの取り組みは、KUMA’S FACTORYにとって、園の思いを長い時間をかけて育て、空間へ展開していく仕事の代表的な事例のひとつです。

園ごとに、大切にしている理念や願いは異なります。
だからこそ私たちは、一つひとつの園の声に耳を傾け、その場所にしかない物語を、アートとデザインで形にしていきます。

プロジェクト概要欄

Project

「こころの花」ほいくえん アートディレクション

Client

学校法人菊地学園

Facilities

  • 登戸駅前園
  • レイクタウン駅園
  • 南流山駅前園
  • 小岩駅前園

KUMA’S Scope

  • ブランドコンセプトのビジュアル設計
  • ロゴデザイン
  • 100本のお花のキャラクター開発
  • 園内アートディレクション
  • サイン計画
  • 壁面デザイン
  • 空間構想へのデザイン反映
  • 意匠原画制作・壁画表現(小岩駅前園)

小岩駅前園

  • 施主:学校法人菊地学園
  • 設計:株式会社地区計画コンサルタンツ
  • 建築施工:株式会社アートテック
  • アートディレクション/デザイン:株式会社KUMA’S FACTORY

学びと遊びが交差する、森のような園舎へ。

プロジェクト概要

・クライアント:品川翔英幼稚園(東京都品川区)

・総括:株式会社ジャクエツ

・プロジェクト種別:大規模リノベーション

・担当領域:空間デザイン監修|アートディレクション|壁画|家具デザイン

・設計施行:株式会社エー・ディーアンドシー

Before

グレー基調の空間をワクワクが溢れる園舎にしたい。
こどもの視点や発達を活かした空間づくりを目指しました。

After

森のような色彩とアートで、園全体が「物語の舞台」へと変貌。
こどもたちが自ら遊び、学び、想像を広げられる場所になりました。

デザインのポイント|学びと遊びの森をつくる仕掛け

  • 壁面アート:ストーリー性のある手描き壁画を園内各所に配置

  • リーディングヌック:動物モチーフの家型本棚で、読書に没頭できる“こもり空間”

  • 森の床:緑を基調にしたカーペットで、安心感と遊び心を演出

  • トイレ空間も演出:動物看板や植物アートで、移動も楽しく

  • 階段の学び化:段数と英語+アイコンのステッカーで、遊びながら学べる仕掛けに

手描きで仕上げた、世界にひとつの壁画

KUMA’S FACTORYのアーティストが園内でペイントを実施。
キリンやパンダなどの動物たちを、一筆ずつ丁寧に描きました。
既製品では生まれない“あたたかみ”と“遊び心”が、空間全体に息づいています。

空間が変わると、こどもが動き出す。

かつて機能してなかった絵本室も、子どもたちが小さな家の中に入って読書を楽しみ、廊下やトイレまでもが遊びと発見の場になりました。

KUMA’S FACTORYからのメッセージ

空間は、子どもたちの育ちを支える大切な環境のひとつです。KUMA’S FACTORYでは、アートやデザインを通して、子どもの感性や動きを引き出す空間づくりを大切にしています。本プロジェクトでも、園全体が物語を感じられる場となり、子どもたちが自ら遊び、学び、想像を広げられる環境を目指しました。ご一緒した皆さまとともに、このような空間づくりに関われたことを嬉しく思います。

こどもたちと育てる、思い出の空間づくり

「空間を、こどもたちと一緒に、思い出で満たす。」

一般的なリノベーションが「きれいに整える」ことを目的とするのに対し、
KUMA’S FACTORYは、“こどもたちの体験そのもの”を空間に刻むアートリノベーションを提案します。

Before|活かしきれていなかった空間

▲「かつては収納スペース。子どもが過ごすには不向きでした」

本来は収納として使われていた一室。
子どもたちが主体的に過ごすには、魅力に欠ける状態でした。

Process|こどもたちと一緒に、空間を“描く”

▲「描く・塗る・体験する——それ自体が園での思い出に」

 

リノベーションは、こどもたちが壁に絵を描くところから始まります。
ただ見るだけの空間ではなく「自分がつくった!」という実感が、誇りと愛着を育てます。

After|思い出に包まれた空間へ

▲KUMA’Sのアーティストとこどもたちの共創で仕上げる

 

▲表情があるひまわり。表情はないひまわりもある。

 

 

▲「世界に一つだけの空間——ここにあるのは、こどもたちの物語」

 

太陽、ひまわり、虹、森……。

こどもたちが描いたモチーフが、明るく温かみある空間を生み出しました。
日々の園生活のなかで、誇りを持って過ごせる場所へと生まれ変わりました。

このリノベーションが生み出す3つの価値

  • 機能向上:整理された空間で、遊び・学び・くつろぎを支える

  • 体験価値:こどもたちの参加が、かけがえのない記憶に

  • ブランディング:保育理念を可視化し、園の個性を強化